中小企業が在宅勤務を導入するときに必要なもの

在宅勤務(リモートワーク・テレワーク)の広がり

コロナウイルスの影響で、在宅勤務・リモートワークが急速に広がっています。

これまでは「多様な働き方の一手段」「スタバで仕事するフリーランスの働き方」くらいの認識だった人も多いと思いますが、これを機に「BCP対応としても欠かせない働き方」にパラダイムシフトするのは間違いなさそうです。

さらに言うと、これまで「食わず嫌い」でその便利さを試したことがなかった人たちが、今回の件を機に、半ば強制的に在宅勤務・リモートワークを体験してみることで、「これ、思った以上に使える!かなりの部分が在宅・リモートでできそう!」と実感し「業務効率化のための前向きな在宅勤務・リモートワーク利用」にシフトするのでは、とも思っています。

ただ現状は、制度も設備も整っていない企業の方が多いはずです。今回は在宅勤務・リモートワークに最低限必要なものと、あったら便利なものについて書きたいと思います。(これも必要!というものがあるかもしれませんが、なるべくシンプルにすべく、思い切って絞り込んでいます。)

在宅勤務・リモートワークに絶対必要なもの:ハードウェア編

在宅勤務・リモートワークに絶対必要なものは、以下2つだと考えています。

  • パソコン(Officeソフト、ネット環境、セキュリティもセットで)
  • 携帯電話

PCも携帯電話も(当たり前ですが)1人1台必要です。

最近は、家にPCがない、ネット環境もない、スマホで十分という人も意外にいます。そういった社員がいる場合に、PCやネット環境(ex.ポケットWi-Fi)を会社として提供するのか、それとも各自で用意するのか、判断が必要です。これからの社会の動きを見据えると、企業としては必要な投資だと思います。

補助金や助成金も有効に活用しながら、在宅勤務・リモートワークへの投資を進めていくべきでしょう。

在宅勤務・リモートワークにあったら便利なもの:ハードウェア編

次はあったら便利なもの(ハードウェア)をいくつかピックアップします。

  • 大型モニター(仕事内容によっては必須)
  • 長時間のデスクワークに適したデスクと椅子(ないとかなり疲れます。。。)

特に説明は必要ないと思いますが、忘れがちなのが机と椅子です。今どき書斎を持っている人の方が少ないと思うので、今回のように「在宅勤務」がメインとなる場合、問題になってきます。

机と椅子まで負担してくれる会社は多くないと思いますので、これから長く在宅勤務を行う予定の方は、必要経費と割り切って用意することも検討してはいかがでしょうか。

大型モニターは、職種や業界によってその必要性はまちまちです。仕事上マストな道具であれば、上記のような助成金も活用しつつ企業で用意することも検討すべきでしょう。

在宅勤務・リモートワークに絶対必要なもの:ソフトウェア編

ハードウェアと比較すると「絶対的必要性」は落ちるのですが、業務効率を考えてあえて「絶対必要なもの」としています。

  • チャットツール(ex.Chatwork、Slack)
  • Web会議・オンライン会議システム(ex.Zoom、Teams)
  • オンラインストレージ(ファイル共有サービス:ex.Dropbox、Google Drive、OneDrive、box)

順番にご紹介します。

チャットツール

リモートワークで大きな問題になるものの1つに「コミュニケーション」があります。これを解消するには、今まで以上に気軽に連絡できる手段が必要です。そこで活躍するのがチャットツールです。「LINE」をイメージしてもらえれば、1番分かりやすいと思います。

チャットツールを使うことで、相手がオンラインかどうか判別することができますし、メールより気軽な文面で、レスポンス早くやり取りすることができます。(導入後は、社内でメールを使う必要がなくなると思います。)

サービスによって特徴は異なりますし、使い方のコツもネットに色々と転がっていますが、とりあえず、まずは使ってみましょう!そして、「気軽にコミュニケーション!」「堅苦しい挨拶や言葉遣い禁止!」「文は短め!」だけ意識してください。あとは慣れです。

とはいえ、どのサービスを使えばいいのか分からない、という方もいらっしゃると思います。個人的には、インターフェイスの分かりやすさ・LINEに似ていてスタートしやすいことから、Chatworkがおすすめです。

参照:Chatworkホームページ

Web会議・オンライン会議

打ち合わせをどうするのか、といったことも問題になってきます。そこで登場するのがWeb会議・オンライン会議システムです。

「Web会議は時差が出て使いづらい」「Web会議で込み入った内容の打ち合わせは無理だろう」そんな意見をお持ちの方もいると思います。「百聞は一見に如かず」です。騙されたと思って使ってみてください。想像以上にストレスフリーなミーティングが可能です。

おすすめのサービスはZoomです。通信量が抑えられているにも関わらず、音声・動画ともに安定していて、操作も直感的で分かりやすいです。使用するために難しい手続きも要りません。画面上に資料を表示させながら議論したり、複数のグループに分かれて議論することも可能です(ブレイクアウトセッション機能)。

1度使ってみるとその簡単さと便利さに驚くと思います。まずはトライしてみましょう!

参照:Zoomホームページ

オンラインストレージ(ファイル共有サービス)

それぞれ違う場所で、同時並行で仕事を進めるには、オンライン上でのファイル共有がマストです。オンラインストレージ上でファイルを一括することで、いつでもどこでも社内資料にアクセスすることが可能です。

オンラインストレージについては、チャットツールやWeb会議と異なり、強くおすすめするサービスはありません。Dropbox、Google Drive、OneDrive、box、すべて使ったことがありますが、どれも使いやすいです。が、強いてあげるとすればGoogle Driveでしょうか。

Google Driveでは、Googleスプレッドシート・Googleドキュメント(OfficeでのExcel・Wordのようなもの)を使うことができ、オンライン上でのファイル編集・保存が可能です、このひと手間削減が意外に大きいので、迷っている場合には導入を検討してみてください。

在宅勤務・リモートワークにあったら便利なもの:ソフトウェア編

  • スケジュール管理サービス
    既に独自のスケジューラーサービスをご利用であれば問題ないですが、もし無い場合、それぞれが今日何をする予定なのか、オフィスにいるのかリモートなのか、どうしても把握しづらくなります。人数が限られていれば、毎朝・毎週それぞれの予定をチャットツールで報告し合うことで足りますが、ある程度人数が多い場合には、スケジュール管理システムやタスク管理システムを導入すると効率化に繋がります。
  • 各種クラウド型の業務サービス(ex.マネーフォワードやfreee等のクラウド会計システム)
    リモートワーク普及のカギは、いかにオフィスに行かずともできる仕事を増やすか、です。会社の中には様々な仕事があり、Office系では完結しない業務も当然あります。そういった業務を、いかにクラウド上(インターネット上)で行うことができる仕組みを整えるかが重要です。できるものから順次切り替えていくことを推奨します。

在宅勤務・リモートワークを進めることで得られる副産物

在宅勤務・リモートワークの仕組みを整えようとすると、いくつかの副産物を得ることができます。これが業務効率化に非常に効果的です。

  • 不要な業務の洗い出し
    在宅勤務・リモートワークをするにあたっては、仕事の洗い出しをする必要があります。誰が、何を、いつまでに行うのか、そのためには何が必要なのかを把握するためです。これをやることで、不要不急の仕事が洗い出されることになり、結果として業務の効率化を図ることができます。不要な打ち合わせを削減することにもつながるかもしれません。(こちらの記事で業務効率化の原則をご紹介しています。)
  • 業務プロセスの見直し
    上記とも似ていますが、在宅勤務・リモートワークで問題なく仕事を完結できるか確認するために、業務プロセスも見直すことになります。リモートでは現状どうしてもできないことをはっきりとさせるためです。その中で、「ここをこう変えればリモートでもできる」「従来のやり方よりも効率的だ」ということが必ずと言っていいほど出てきます。リモートワークにあわせて業務プロセスを見直すことで、業務効率化につなげることが可能です。
  • ペーパレス化(電子化)の進展
    上記のオンラインストレージを使用するにあたり、「紙」ではなく「データ」で仕事を進める必要性が出てきます。最初は少し負担がかかりますが、思い切ってペーパレス化を進めることで、情報の検索性や分析容易性が向上し、業務効率化や有益なデータ分析に寄与します。

まとめ

今回は、在宅勤務・リモートワークに必要なものというテーマで、必要なハードウェア・ソフトウェアをご紹介しました。最低限以下の5つを導入すれば一定程度快適な在宅勤務・リモートワークができると思います。

  • パソコン
  • 携帯電話
  • チャットツール:おすすめはChatwork
  • Web会議システム:おすすめはZoom
  • オンラインストレージ:強いてあげればGoogle Drive

今回の騒動を少しでもプラスに変えるべく、助成金等も上手に利用しながら、在宅勤務・リモートワークの仕組みづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

なお、これから導入しよう!とされている方にとって、あまり色々な要素やサービスを並べてしまうと意図せず導入ハードルがあがってしまいそうだったので、この記事ではできる限りシンプルに、絞り込んだ紹介をしています。サービスごとの違いやメリット・デメリットの詳述はしていませんが、ここでピックアップしたサービスの便利さは使うとお分かり頂けると思うので、ご容赦頂ければと思います。

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