リモートワークが進む今だからこそ目を向けたい「計画におけるグレシャムの法則」

グレシャムの法則といえば、「悪貨が良貨を駆逐する」という言葉が有名です。16世紀のイギリス国王財政顧問トーマス・グレシャムが、エリザベス1世に対し「イギリスの良貨が外国に流出する原因は貨幣改悪のためである」と進言したことに由来します。

では計画におけるグレシャムの法則とは?なぜ今考えるべきなのか?について説明します。

計画におけるグレシャムの法則とは

計画におけるグレシャムの法則は、ハーバート・サイモン氏(ノーベル経済学賞受賞)が提唱したもので、ルーティン化された日常業務(悪貨)に追われている人は、ルーティン業務の処理に埋没してしまい、長期的な展望や革新的な解決策といった長期的に重要な仕事(良貨)を行えず、創造性が駆逐されてしまうという考え方です。

多かれ少なかれ、様々な規模・業種の企業に当てはまるのではないでしょうか。

大企業では、ルーティンワークに追われる部署がひとつやふたつはあるでしょう。

中小企業では、人材不足ゆえに日々の仕事で精いっぱいで、新しい取り組みや経営戦略・経営計画立案・業務改善がままならないところもあると思います。

ベンチャー企業であっても、一定程度スケールした後、同様のケースで成長スピードが落ちてしまうケースもあるようです。

問題なのは、ルーティン業務で忙殺されているので、放っておくと全く改善がなされない、ということです。業務改善をするためには、初期コスト=時間が必要ですが、その時間をとることができません。ルーティンで忙しいまま長期的に必要な仕事が手付かずのまま残り、結果として競合他社の新しい施策によって差がついてしまう、というのは避けなくてはなりません。

なぜ今、計画におけるグレシャムの法則に目を向けるのか

コロナウイルスの影響で、リモートワーク(テレワーク・在宅ワーク)の浸透が進んでいます。リモートワークをするにあたって、業務の棚卸をしている人も多いのではないでしょうか?

いつまでに、何をやらなければいけないのか。そもそもこの仕事や打ち合わせは本当に必要なのか。必要だとしても、頻度や精緻さは削れる部分もあるのではないか。

通常通り仕事をしていると、こういった日常業務の見直しというのはなかなか行われません。忙しければ忙しいほど、行われません。ただ、半強制的にリモートワークを行うことになった場合、同じく半強制的に業務の再確認を行うことになると思います。

作業の要否、資料の要否、打ち合わせの要否。リモートワークを機に仕事の中身を見直すことで、実は削減できる仕事があるはずです。

「今までやってきたから」「ルールだから」は、継続する理由にはなりません。思い切って業務を断捨離し、長期的に必要な仕事にリソースをまわすことで、計画におけるグレシャムの法則を抜け出し、中長期的な競争力を高める取り組めるいい機会だと考えています

さらに、どうしても削減できないけど社内でやるには効率が悪い、革新的な取り組みを始めたがノウハウが足りないというときには、外の資源に目を向けて、うまくアウトソーシングすることも必要になってきます。

企業によっては、コロナウイルスの影響を受けているところもあるでしょう。ただダメージを受けた出来事で終わらせるのは悔しいので、プラスにできる部分を模索して、取り組んでいくことが必要だと思います。

コロナをきっかけとした業務改善のポイントについてはこちらの記事で、また戦略的なアウトソーシングについてはこちらの記事で詳しくまとめています。あわせてご覧ください。

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