テレワークが人材採用・会社選びに与える影響

前回の投稿から少し間が空いてしまいました。

5月・6月と案件が立て込んでいて時間をつくるのが難しかったのですが、7月以降は更新ペースを戻していきたいと思っています。

さて、今回はウィズコロナ時代の人材採用・会社選びについて書いていきます。

コロナ禍における急速なテレワークの普及

コロナ禍において、テレワークが急激に普及しています。東京商工会議所の「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」によると、緊急事態宣言解除後のテレワーク実施率は67.3%に達したそうです。

テレワークという働き方は、決して一過性のものとはならないでしょう。

「オフィス無し、全社員が常にテレワーク」という会社が多くなるとは思いませんが、多くの企業でテレワーク可能な体制は維持され、働き方のひとつとして根付いていくのではないでしょうか。

ウィズコロナ時代の会社選び

これまでの会社選びの基準は、以下のようなものがメインだったと思います。

  • 仕事内容:成長できる環境か
  • 勤務地:働きたいエリアか
  • 会社の雰囲気:社風・人が魅力的か、自分に合っているか
  • 待遇:給与や福利厚生が満足できる水準か
  • ビジョン:会社の考えや目指すものに共感できるか

しかし、ウィズコロナ時代に「テレワーク」がひとつの働き方として定着すると、ここに変化が生まれるでしょう。

「テレワークの可否」が会社選びの基準のひとつに

テレワークがここまで世の中に浸透すると、「テレワークができるかどうか」は会社選びのひとつの基準になります。

「テレワークができる」ことが会社の魅力になるというよりは、「テレワークができない」ことが採用にとって大きな足かせとなるのではないかと思います。

コロナ禍における緊急対応に留まらず、長期的な人材確保の観点からも、テレワークを推進していくことが求められます。

「オフィスへの出社回数」で会社が比較される時代に

「テレワークができるかどうか」だけではありません。

「テレワークはできるけどあくまで例外的な措置で、基本的には週5で出社」なのか、「週2はテレワーク、週3は出社のハイブリッドが原則」なのか、「週5テレワークでオフィスは廃止」なのか、企業のスタンスが分かれていくでしょう。

昨今のアンケートを見る限り、在宅勤務・テレワークに魅力を感じている人は多そうです。そうなると、相対的に「週5出社が原則」の企業は相対的に魅力がないと映る可能性があります。

ただ、「完全テレワーク」が1番魅力的かというと、必ずしもそうではないと私は考えています。もちろん、完全テレワークを希望する人材も少なからずいるでしょうが、「オフィスに出社するのもいいな」「テレワークとうまく組み合わせたいな」と感じている層の方が多い印象です。

業界や業種、そして何より「企業文化・会社としての考え方」を考慮した勤務体制をあらためて考え直し、「週5勤務でリアルなコミュニケーションにこだわる会社」、「出社とテレワーク半々のハイブリッドで企業価値を高めていこうとする会社」、「テレワークを徹底し、業務効率を最大化していく会社」など、そのスタンスを明確化することが、採用戦略のひとつになるでしょう。

「オフィスへの評価」が厳しくなる

テレワーク浸透により、オフィスを廃止する企業も出始めていますが、それがマジョリティになるかというと、先述の通り、私個人としてそうは思いません。

在宅勤務をするなかでオフィスの優位性もあらためて感じますし、やはり一定のオフィス需要は底堅く残り続けると考えています。

ただその場合でも、「オフィス」への評価の目は厳しくなるのでは、と予想します。「せっかく出社するなら、便利な場所にあってほしい」「自宅より快適に働ける環境がほしい」「コミュニケーションが活性化される場であってほしい」など、オフィスに求めるものは増えていくのではないでしょうか。

企業としても、「オフィスを構えるのは当たり前」だった時代から、「構える価値が感じられるオフィスかどうかを厳しく見極める」時代へ。「テレワーク導入で少し面積を減らしたのでよりよい立地のオフィスへ移る」「せっかくオフィスを構えるなら従業員満足度や人材採用力につながるものにしたい」など、立地やグレードに対する要求はこれまで以上に高まるはずです。

週数回でもオフィスに出社するのであれば、従業員にとって通勤しやすい場所にエリアを構えたい・構えてほしいという需要も残るでしょう。

「オフィスの立地が関係なくなる」という意見もありますが、「立地も含めてオフィスに求めるレベルが高まっていく」、そして「好まれるオフィスビルと選ばれないオフィスビルへ二極化が進む」というのが、ウィズコロナ時代のトレンドだと考えます。

まとめ

ウィズコロナ時代にテレワークが浸透する中で、人材採用・会社選びがどう影響を受けるかという観点でまとめてきました。

以下のうち、太字部分が今後起こりうる(もうすでに起こり始めている)変化だと考えています。

  • 仕事内容:成長できる環境か
  • 勤務地:働きたいエリアか(エリアへの選好がより高まる
  • 会社の雰囲気:社風・人が魅力的か、自分に合っているか
  • 待遇:給与や福利厚生が満足できる水準か
  • ビジョン:会社の考えや目指すものに共感できるか
  • テレワークの可否:テレワークが可能かどうか
  • 出社の頻度:週5出社なのか、ハイブリッドなのか、完全テレワークなのか

会社としてテレワークに対してどのようなスタンスをとるのか、オフィス戦略をどうするのか。

企業の力の源である「人材」を採用するうえでも、重要な経営判断となるでしょう。

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