これからは複業が当たり前になると考える理由①

ここ数年、複業(副業)解禁が徐々に本格化し、一部の大企業でも複業が認められ始めていますが、まだ大多数とは言えない状況です。

ただ、複業はこれからの時代に必要となり、そう遠くない将来、複業を認めている会社の方が多い社会になると思っています。

そんな想いもあり、pfworkは、“複業”を1つのキーワード・1つの特長として、企業支援に取り組んでいます。

なぜ複業が必要なのか。複業によって企業が、個人が、社会がどう良くなるのか。複業について考えていることを、いくつかの投稿に分けて書いておきたいと思います。

今回は、「外部環境の変化」という視点から考えた、複業が必要になる理由についてです。

既に起きている/これから起こる外部環境の変化

少子高齢化が進み、多くの会社・多くの業界で人手不足が叫ばれています。

技術革新が加速度的に進み、終身雇用制度は崩れ、どんな有名企業に入社しても一生安泰とはいかなくなりました。

優秀な人材の確保に課題を抱える企業が溢れる傍らで、将来の仕事に不安を抱く人が多くいる。それが今の社会じゃないでしょうか。

今どんな社会の変化が起きているのか。そこでどうして複業につながるのか。その考えをまとめていきます。

社会の変化

定年廃止、長期間働くのが当たり前の社会に

少子化によって、日本の人口構成が大きく変わっています。長寿命化(これ自体はむしろ喜ばしいことです)によって、人口構成の歪みに拍車がかかっています。

人口構成が変化したことで、社会保障制度が今のまま続くことは残念ながらあり得ないでしょう。年金支給額の減少、支給時期の後ろ倒し…。現時点での改革スピードはゆっくりですが、既に待ったなしの状態です。若い世代ほど、自分事としての危機感を持っていると思います。

この問題に対する解決手段として最も現実的なもの。私は「みんなが可能な限り長い期間働き続けること」だと考えています。年金の失業保険化(一定の時期からみんな受け取るのではなく、働けなくなった人が受け取るものへの転換)に近いかもしれません。

幸い、健康寿命も延びていますし、これからもっと延びることが期待されています。今の60代・70代以上の方も、非常にエネルギッシュでまだまだ意欲が溢れている方も少なくありません。少子高齢化によって生産年齢人口が減り、人材の最有効活用が求められているという背景もあります。再雇用制度など今でもこの方向性は示されていますが、「年金に頼らず自分で稼げる人は稼いでもらわないと成り立たない社会」が加速していくのは間違いないでしょう。

定年廃止・生涯現役が当たり前の社会は、もうすぐそこまで来ています。

会社に依存しない、自立した個人が求められる社会に

少子化によって人口構成比が変わるだけでなく、人口減少も起こります。人口が減れば当然内需減となり、経済成長が鈍化する可能性は高いです。

技術の加速度的進化も社会の様子を大きく変えています。技術進化で、これまで築いた競争優位があっという間に崩れていく。経済成長の鈍化と相まって、ついこの前まで誰もが優良企業だと思っていた会社でも、ずっと安泰だとは信じられなくなりました。

良い大学を卒業して有名企業に入れば終身雇用で人生勝ち組、といった価値観は過去のもの。入社後の過ごし方次第ですが、会社に依存(≠愛着)してしまうと、いつ市場価値が劣る状態で放り出されるか分かりません。会社自体がなくなることだってあり得るでしょうし、存続するにしても、本当に貢献してくれる人を厳選して求める傾向が強くなるのは避けられないでしょう。

じゃあどうすればいいか。唯一の正解といったものは無いと思います。ただ、勉強は学生で終わりではなく、常に学びをアップデートし、自立した個人でいようと努めることが、結果的に自分の価値を高め、自社に貢献する(そして求められる)一助にもなると考えています。

これからは、以前より明確に・はっきりと、会社に依存しない=自立した個人が求められる社会になるはずです。

多様な働き方が当たり前に認められる社会に

少子高齢化は、生産年齢人口の減少・働き手不足に繋がります。企業は、立地が良くかっこいいオフィスを用意したり、働きやすいルールの整備を進めるなど、あらゆる手段を尽くしながら、人材獲得競争や生産性向上に向けた取り組みを強化しています。優秀な人材確保と、人材の最有効活用がこれまで以上に求められています。

先述した通り競争環境が大きく変わりうるなかでは、外部の知見をうまく取り入れ、オープンイノベーションを志向することも重要だと言われています。事実、多くの会社が業務提携や共同プロジェクト、コワーキングスペースの活用等により、外部との積極的なコミュニケーションをとるようになってきました。

そんな動きの中で、多様な人材を受け入れるのはマストになりつつあります。変な縛りがあって優秀な人材を逃してはいけない、むしろ異なる価値観を持った人も必要。そんな、多様な働き方が当たり前に認められる社会に確実になってきています。

環境変化への対応としての複業

長期間働くのが当たり前の社会。会社に依存せず、自立した個人が求められる社会。多様な働き方が認められる社会。

そんな社会で生きていくときに、“複業”は非常に有効な選択肢のひとつだと私は考えています。

“複業”は、まず自由度が高いです。始めるハードルが(転職や起業と比べると)明らかに低く、自分で何をやるか・いつやるか選ぶことができます。

リスクを抑えつつ、好きな分野・得意な分野で経験を積んでいく。そんな複業を通して養ったノウハウ、挑戦した経験、できた繋がりは、元の仕事にも活かすことができる(積極的に活かしましょう)。思った以上にビジネスとして拡大したら、独立することもできる。

いずれにしても“複業”は、今の会社が好きであれ嫌いであれ、そこに残るのであれ転職するのであれ、どんな境遇の人にも開かれた選択肢であり、仕事の充実感や長く働くことに対する前向きさを与えてくれるものだと私は思います。

さらに、社外と仕事することを通じて、市場では何が当たり前で何がそうでないのか、相対比較したときに自分の価値はどこにあるのか、客観的に評価することができます。会社に依存しているのかどうか、自立できているのかどうか、自立するためには何をどうすればいいのか、気付きやすくなるのは間違いありません。

有難いことに、大企業でも複業が認められ始めています。国は、積極的に複業を推進し始めました。多様な働き方を認める風潮も、複業を後押ししています。

“複業”による多様な経験を通して、個人のスキル深化・エンプロイアビリティ向上に繋げ、自分の能力に自信を持ち、働くことを長く楽しむ。

企業が、個人が、社会が生き生きするための施策として、“複業”が当たり前の選択肢になってきていると思います。

まとめ

外部環境の変化という観点から、“複業”が当たり前になる理由をシンプルにまとめてみました。

  • 定年廃止、長期間働くのが当たり前の社会に
  • 会社に依存しない、自立した個人が求められる社会に
  • 多様な働き方が当たり前に認められる社会に

こういった社会変化に対応するうえで、複業は魅力的な選択肢だと思います。

今回の内容とも密接に関連しますが、“複業”は「企業・個人・社会」にとってのメリット・デメリットという観点からも、「複業が当たり前になる」と考えています。その理由については「これからは複業が当たり前になると考える理由②」「これからは複業が当たり前になると考える理由③」「これからは複業が当たり前になると考える理由④」でまとめていますので、ぜひご覧ください。

なお、pfworkは「複業・副業の始め方ブログ」も運営しています。pfworkとして蓄積した複業のノウハウをまとめることで、「複業を始めたい人」や「最近始めた人」に役立つ情報を提供したいと思っています。複業・副業に関心がある方は、ぜひ「複業・副業の始め方ブログ」もチェックしてみてください。

Follow me!