アウトソーシングを戦略的に活用して人手不足を解消する
人材獲得競争が激しさを増しています。コロナウイルスの影響で少し下火傾向とはいえ、「人手不足」は中長期的なトレンドとしてあり続けるでしょう。
一部の超人気企業を除いては、多くの企業は人材獲得に常に頭を悩ませることになると思います。
pfworkは、人材獲得のいち手段として、アウトソーシングが非常に有効だと考えています。このアウトソーシングについて、詳しくまとめていきます。
アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングをするにあたり、そのメリット・デメリットを把握しておくことはマストです。
というのも、メリット・デメリットをおさえなければ、アウトソーシングすべき仕事と、インソースですべき仕事の区分けが難しくなるからです。
アウトソーシングのメリット
まずはメリットについて説明していきます。
- 優秀な人材・高い専門性を持つ人材を確保しやすい
- 「やりたいけど、できていないこと」を実現できる
- 保有する経営資源を得意分野に集中させることができる
- アウトソースする過程で、業務の棚卸や標準化が進む
- 残業代をはじめとした人件費を削減できる
- 人件費ではなく業務委託費になることで、固定費から変動費に変わる
通常、優秀な人材であればあるほど需要が高まり、必要な報酬は高まります。高度な専門性をもつ人材、スーパージェネラリストと呼ばれるような人材はどこも欲しているため、採用難易度は高いです。
一方で、人材を雇用するのではなくアウトソースの活用に切り替えることで、求めるレベルの人材を確保できる可能性が高まります。
極端な例ですが、税理士を自社内に抱える企業は多くないと思います。税理士事務所と契約して、その一部の時間を自社のために使ってもらう形でしょう。あらゆる業務において、この方法は利用可能です。(後段でいくつか具体イメージをご説明します。)
また、アウトソーシングによって、ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産といった自社の経営資源を得意分野に集中させることができ、強みの強化や費用対効果の改善にも寄与します。
副次的な効果としては、業務の棚卸や標準化が進むという観点も見逃せません。アウトソーシングするにあたっては、依頼したい仕事を定義し適切に伝えることが重要になるため、依頼プロセスを通じて業務の整理が自然と行われます。
さらに、費用面での効果もあります。アウトソーシングが効果的に行われれば、自社で人材を抱え育成するよりもトータルで安く済むケースが少なくありません。アウトソーシングの成果として業務が効率化され、残業代が削減されるケースもあるでしょう。アウトソーシングは雇用ではないため、状況に応じて利用するかどうか判断することで、変動費として調整することも可能です。
このように、アウトソーシングには多くのメリットがあります。抵抗感がある経営者の方も多いかもしれませんが、使い方を間違わなければ、社内で行うよりも「少ない費用で大きい効果」をあげられると思います。
アウトソーシングのデメリット
メリットを多くあげましたが、当然デメリットもあります。両側面を理解したうえで、有効活用することが大切です。
- ノウハウが蓄積されにくい
- ノウハウを含めた情報流出の可能性がある
- 委託先の管理が煩雑になると、かえって業務負荷が増える可能性がある
- 依存しすぎると、価格交渉力で劣り費用増となる可能性がある
まず気をつけるべきは、アウトソーシングを活用している分野のノウハウは蓄積されにくいということです。その業務のノウハウが社内に蓄積される必要があるのか、その必要性は薄いのか、事前に見極めたうえで委託範囲を決める必要があります。
また、自社の強み・ノウハウに直結する業務をアウトソースする場合、情報流出リスクが出てきます。特に模倣されたくない業務については、その周辺業務も含めて内製化を第一選択肢とすべきでしょう。
その他、アウトソーシングする先が増えすぎたり毎回違う会社に委託したりする場合、その管理が非常に煩雑になるケースがあります。逆に1社に依存しすぎる場合は、意思疎通はしやすいもののスイッチングコストが高まり、委託費用が嵩むことも考えられます。分散させすぎず、頼りすぎずのバランスが求められるでしょう。
以上のメリット・デメリットを踏まえ、具体的なアウトソーシングのイメージをご紹介します。
経営をアウトソーシングする
経営企画(経営戦略立案・経営計画策定)の一部をアウトソーシングする
より正確にいうと「経営戦略立案・経営計画策定のパートナーの役割をアウトソーシングする」です。
経営戦略立案・経営計画策定は、経営者にとって最重要な仕事です。とはいえ、分業化がそれほど進んでいない組織の場合、様々な意思決定が経営者に集中し、経営戦略を十分に練る時間や、戦略を具体的な計画に落とし込む時間がなかなかとれないことも多いと思います。
加えて、経営者を補佐できる人材が必ずしも社内にいるとは限りません。明確な後継者がいれば別ですが、経営者以外はプレーヤーという企業も少なくなく、外部から招へいしようとしてそもそも適材がいるか分かりませんし、目利きも非常に難しいです。
そこで、経営者とともに経営戦略を考え、経営計画に落とし込む「壁打ちパートナー」の役割をアウトソーシングするという選択肢が生まれます。
中小企業診断士などの専門家に依頼することで、そのクオリティを担保することにもなりますし、1カ月〇時間と時間を限ることでコストを抑えることも十分可能です。また、経営戦略立案をプロジェクト化し外部人材と従業員で共に取り組むことで、OJTで幹部候補人材を育てることもできます。
経営者とともに戦略を立案する人材を社内で抱えよう・独自に育てようとすると時間も費用もかかります。経営企画・社長室の業務領域でアウトソーシングを有効活用することで、コストパフォーマンスにも優れた成果が出せると考えています。
pfworkの経営戦略立案・経営計画策定サポートは、中小企業診断士の専門性や、複業家ゆえの経営企画ノウハウを特長としています。ぜひ積極的にご活用ください。
経営管理・計数管理をアウトソーシングする
経営上の意思決定において定量データの分析は必要不可欠であり、経営管理・計数管理は、企業が中長期的に維持・成長していくためには欠かせない役割です。ただ、どんな数値を見れば意思決定のクオリティが向上するのか整理がついていないケースや、人手不足でそこまで手が回っていないケースも散見されます。
ここでも、外部の知見を活かすことをおすすめします。経営管理・計数管理は経営企画につながる、いわば経営の中枢機能でもあるため、専門家にアウトソースして一緒に考えていくという施策は効果的です。
具体的には、計数管理の豊富な経験をもつ専門家・複業家の知見を活かして、経営指標などの経営数値データを再整理し「経営を見える化」することで、意思決定のクオリティ向上につなげます。
「財務諸表として形になっている」という状態から、「経営にとって重要な数字が分かりやすくピックアップされ、自社の状態や改善の方向性がイメージできる」という状態に進化させることで、想像以上に企業のレベルアップにつながるケースは多いです。
pfworkは経営管理・計数管理もサポートしてます。経営改善につながりやすい分野でもありますので、お気軽にご相談ください。
営業・マーケティングをアウトソーシングする
営業・マーケティングの業務も、一部をアウトソーシングすることで売り上げの増加や業務の効率化が期待できます。
例えば、営業企画の機能。人材が不足している場合、どうしてもこの部分が疎かになりがちです。
結果として、提案資料がリニューアルされていなかったり、本当に刺さる内容になっていないということが起こります。また、営業自体が行き当たりばったりになり、PDCAサイクルを組織的に回せていないことも珍しくありません。
そこで、営業企画業務のアウトソーシングが活用できます。伝えるべきポイントを整理し、見やすい・伝わる資料への改良を行う、営業プロセスを分解してボトルネックを特定し、効果的な改善を行うなど、効果的な営業に結び付けることが可能です。
また、目先の売上目標が優先されるあまり、マーケティング戦略が十分検討されていない企業も散見されます。マーケティングは営業を効果的にするだけではなく、営業そのものを不要にできるケースもあるため、非常に重要です。
現在の組織体制ではマーケティングに人は割けない、ノウハウも足りないという場合には、アウトソーシングを活用して「誰に・何を・どのように」販売するのか整理するだけでも、日々の営業活動や製品ポートフォリオの検討に役立ちます。
pfworkの営業・マーケティング支援は、営業資料のリバイズからマーケティング戦略立案まで、売上向上施策を幅広く扱っています。
業務改善・業務効率化・働き方改革をアウトソーシングする
欲しい人材がなかなか取れない、残業代がかさんで人件費負担が重い、有給休暇取得義務があるが業務多忙で休暇をとりにくい環境にあるなど、多くの企業にとって業務過多・人材不足は共通の悩みです。
新しく人材を採用する以外にも、現在の業務を見直して余裕をつくりだすことで、残業の削減や働き方改革推進、付加価値の高い業務への集中など、経営にプラスの効果が見込めます。
ただ、一口に業務を見直すといっても、忙しければ忙しいほどその余裕がない、しかもどう改善すれば効果的なのか分からないというケースは多いです。
ここでもアウトソーシングを活用し、例えば複業家等の幅広い知見を活かすることで、別の会社・別の業界で採用されている効率化の仕組みを導入し、即効性のある業務改善につなげることが可能です。Excelなどの一般的なツールを活用するだけでも、驚くほど業務効率が改善されることがあります。
社内の人から見れば当たり前のことでも、外から見ると非効率ということは少なくありません。アウトソーシングを積極的に活用し、現在の業務に無理・無駄・ムラがないか分析し改善していくことをおすすめします。
pfworkの業務改善支援では、ヒアリングや現場調査を通じて、仕事の内容や進め方に「無理・無駄・ムラ」がないかどうかを分析し、改善提案いたします。人手不足・働き方改革の遅延でお悩みがあれば、一度ご相談ください。
個別プロジェクトをアウトソーシングする
最後に、個別プロジェクトのアウトソーシングについてです。
会社の中で、何か新しい取り組みや改善活動を行う際、プロジェクトチームを組成して行うことも多いと思います。新規事業を立ち上げる、人事評価制度を変える、教育制度を見直すなど。
ただ、新しい取り組みであるがゆえに、社内に知見がない、どう進めていいか分からないというケースがあります。また、知見がない、人材が割けないという理由で、本当は取り組みたいプロジェクト自体をあきらめてしまうこともあります。こういった理由で、せっかくの前向きな取り組みを頓挫させてしまうのは非常にもったいないです。
個別のプロジェクトがうまく進められない、プロジェクトの組成自体がままならない、そんなときにこそアウトソーシングを活用できないか検討してみませんか。
最初の検討段階は外部人材に集中的に関与してもらい、その後は月1~2回の定例でモニタリングしてもらうだけでも、進み方がスムーズになることは少なくありません。
今では、大手人材会社などが顧客企業に代わって外部人材を募集し、課題解決のディスカッションの場をセットするビジネスも出てきています。
何か新しい取り組みを始めたい、でも社内だけで行うには不安が残るという場合には、アウトソーシングも有効な選択肢のひとつです。
まとめ|アウトソーシングの活用力が企業の競争力に直結する
アウトソーシングのメリット・デメリットから、具体的なアウトソース領域、それによって得られる効果についてまとめてきました。
これまで例を挙げてきたように、経営戦略立案、経営管理・計数管理、営業・マーケティング、業務改善・効率化、個別プロジェクトなど、多くの場面でアウトソーシングの活用が可能です。
pfworkでも、中小企業診断士・複業家の専門性やノウハウを活かして、以下の支援を行っています。
- 経営コンサルティング(経営助言、経営計画策定サポート)
- 経営管理・計数管理サポート
- 業務改善・効率化・働き方改革支援
- 営業・マーケティング支援
- 個別プロジェクト支援(新規事業立ち上げ・補助金・ブランディングなど)
人材獲得競争が激しくなればなるほど、採用力と同様に、「アウトソーシングの活用が上手かどうか」が企業の競争力に直結します。
人手不足の解消、売上の向上、費用の削減、中長期的な競争力向上のために、外部委託を利用する経験を積み重ねて「アウトソーシングの活用力」を鍛えることをおすすめします。
お力になれる場面があれば、ぜひお気軽にこちらからご相談ください。
また、複業人材の活用という観点からも記事をまとめておりますので、あわせてご覧いただけると幸いです。