経営資源とは?イメージしやすい7つの資源

経営や経営学では、「経営資源」という用語がよく使われます。

経営資源って?具体的には何を指すの?「強み」や「資産」とは何が違うの? そう聞かれたときに、明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

事実、「経営資源」という言葉の定義は、人によって、書籍によって異なるようです。

今回はこの「経営資源」について、具体的なイメージがしやすいよう7つに分けてご紹介します。

「これが正しい定義だ」というつもりは毛頭ありません。ただ、経営資源は経営戦略を立案する上で大切な要素です。

実際の経営において、経営資源をもれなく認識するためには、こう整理しておくと分かりやすいという観点から、まとめていこうと思います。

経営資源とは?

経営資源というと、ヒト・モノ・カネを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。加えて、情報も経営資源だとよくいわれます。

ただ、「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つを経営資源と考えると、人によってイメージが偏ってしまう可能性があります。

できるだけイメージがにズレが生じないよう、「経営資源は7つ」として捉えるのがおすすめです。

ヒト

まずはヒトです、語呂がいいから最初にあるのかもしれませんが、重要度からいっても1番高いと思います。

よい人材を採用できているか、また育成できているか。能力をフルに発揮させられているか。

経営資源を実際に扱うのはヒトです。ヒトの差は、企業の競争力に直結します。

モノ

イメージしやすいモノとしては、工場や設備、商品(在庫)が挙げられます。

また「立地」も重要な要素です。小売業・飲食業に限らず、あらゆる業界にとって、立地は重要な差別化要素になります。

自社が保有するモノが他社とどう異なるか、分析・把握した上で戦略を立てていくことが必要です。

カネ

コロナウイルスの影響もあり、“Cash is King” ともいわれています。カネも、企業活動において必要不可欠です。

たくさんCashを持っていればいい、という話でもありません。あまりにカネ余りの状況では、企業として「有効な投資ができていない」と見られる面もあります。

ただ、良好な財務体質を維持し、いざというときの投資余力がある企業はやはり強いです。

情報

4つめは情報です。広義では「知的財産」「ブランド」を含むこともありますが、情報というワードからそこまでイメージがなされない場面も多いので、ここでは狭義の情報を指しています。

顧客のデータ、取引先や競合の情報、社内外の情報を扱うシステムなどがイメージしやすいでしょう。

いかに情報を集め、分析し、共有し、生かすか。その蓄積と仕組みは経営戦略を組み立てる上で差別化要素になってきます。

知的財産

知的財産とは、厳しい競争環境のなかで生き残るために試行錯誤し、企業独自の特許や製造方法自体などを指します。

情報と同じく無形資産であり、模倣困難性が高いことも特徴です。

ユニークな製品・サービスを作る上で、またコストパフォーマンスに優れた商品・サービスを提供する上で重要な経営資源であり、長期的な競争優位の源泉となります。

ブランド

コトラーの定義を借りれば、「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」です。

ブランドも無形の経営資源であり、広義の情報に含まれることもあります。

一貫したビジョンに基づいた商品・サービスの提供を継続することで強力なブランドを構築できれば、容易には揺るがない差別化要因となります。

時間

最後は時間です。一度過ぎてしまうともう取り戻せない、というのが最大の特徴でしょう。

いま競争優位を持っていても、それが今後も続くとは限りません。変化の激しい時代だからこそ、企業にとってスピードは重要です。

時間を有効活用して競争優位を構築することが求められます。

まとめ

今回は「7つの経営資源」についてまとめました。

企業にとって、「いま保有する経営資源は、顧客に価値を提供する上で、競合に勝つ上で十分か」を把握し、「今後、いかに優良な経営資源を蓄積していくか」計画立てていくことは、非常に重要な課題です。貴重な経営資源を見落として誤った方向に進まないためにも、切り口を知り、日常から経営資源について意識することが必要でしょう。

さらに、経営資源を保有しているだけでは不十分で、それを活かしきるオペレーションも大切になります。経営資源 × オペレーション = ケイパビリティとして別の記事でまとめていますので、そちらもあわせてご覧ください。

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